イシュイシュにおまかせっ☆


注意書き

  • 主人公と岩戸が恋人同士な設定
  • キャラクターほぼ総登場なギャグ話
  • イシュイシュとか変です。皆変です
  • 限定版特典用ドラマCDのネタ 引っ張ってきてます

「ふふっ、ようやく完成した」
そう呟いた男の手には高さ10センチ程の小瓶が握られてあった。
瓶の口を摘み左右に揺らせば中に入った透明な液体がゆらゆらと揺れる。
それを見て男は口角を上げ、にやりと笑った。
その様子から察するに実験だか何だかはうまくいったらしい。

男はどこぞの実験室の中にいた。
その室内は薄暗く、彼以外に人の姿はない。
広さは大体10畳ほどであろうか。ぴかぴかのステンレス台の上に、学生時代大半の人がお世話になったであろうフラスコやらビーカーがずらりと並んでいる。そしてどれもこれも気味の悪いくらい発色の良い蛍光色の液体入りだ。かろうじて無臭のようではあるが。

その男の顔までは見えない。
今の状況はアニメやマンガの手法でよくある首から下までが映っているというお約束な感じ、だと思ってほしい。

「さて、と……」
男は瓶の口を開いた。
小気味良い、ポンッというコルクの抜ける音が室内に響く。
そして手元にあった注射器を手にし、小瓶の中にそっと注射針を落とした。

「あーかーいーリンーゴにー♪」
の歌の通り、男は吸い上げた怪しい液体を躊躇することなくリンゴに注入した。

「準備完了♪」
男は不気味に微笑んだ…… 


「はぁ……」

岩戸和浩は悩んでいた。
先日お付き合いを始めたばかりの彼女への接し方について悩んでいた。
彼はそう社交的でもないが、そこまで内気な方でもない。
友人にだって恵まれているが、どうも彼女に対しては自身が消極的すぎるように思っていた。
変に意識しすぎてしまうせいか、付き合う前のように自然と振舞えなくもなっていた。
女性と付き合うのは初めてのことだから、仕方がないといえばそうなのかもしれない。

「……僕ってどうしてこうなんだろう」

岩戸は窓を開け、夜空を眺めた。
空にはたくさんの星たちがきらきらと輝いている。
その星々が彼女と、彼女にしょっちゅう抱きつく、困った倭の姿と何故か重なった。
今、空に昇っているのは太陽ではないがどういうわけか眩しく見えた。

「ま、まぁ、あんなに積極的にとまではいかなくても、あんな風に自然体で振舞えたらな……」

岩戸はちょっぴり倭をうらやましく思った。
彼みたいになれたら……そう思ったその時――

ピンポーン

突然、インターホンが鳴った。
岩戸は背後の壁に目をやる。そこに掛かる丸時計は夜中の12時を指していた。

「こんな時間に、誰だろう?」

当たり前だが、宅配業者もこんな時間にやって来ることはない。
一瞬、オングストロームのメンバーの誰かかな、とも思ったが明日は走行会の日である。
レースではないにせよ、こんな時間までウロウロするようなプロ意識に欠けるメンバーはチームにいない。

少しだけ不審に思ったが、岩戸は玄関のドアを開けることにした。

「どちら様です……うわぁっ!」
岩戸は後ろにひっくり返らんばかりの勢いで驚いた。
目の前には、フード付きの真っ黒いマントで全身を包んだ長身の男性……女性でないと感じたのはその身長の高さと体つきからであった。フードを被るその男の顔は黒いマントとは対照的な、真っ白なヴェネチア風のお面で覆われている。
そして時折覗く白い腕からはバスケットをぶらさげた人物が立っているのである。

「えーっと、驚いちゃってすみません。あの……どちら様ですか」

こんな時間でなくとも、こんな姿をした者が訪ねてくれば誰だって驚くであろう。
名前を訊ねる前にまずは110番に連絡だと思うのだが。

「………。」

その怪しげな男はただ無言でバスケットの中からリンゴを取り出すと、岩戸に差し出した。
真っ赤に熟れたとても美味しそうなリンゴである。

「あ。えーっと、知らない人から変な物はもらっちゃだめって言われてるんで……」
岩戸は困惑顔で受け取れない理由を説明する。
まぁそれは当然な選択であろう。

そのとき。ヒュッと強い風が二人の間を吹きぬけた。
男のフードがはらりとめくれる。

「あ、あなたは……!!」

透き通るような綺麗な金髪の左サイドをみつあみで結い、さらに鈴飾りをつけていて…
以前、ある旅館で毒物入り葡萄ジュースを皆に振舞ってくれたあの人物と髪型がそっくりである。

「えっと、イシューさんですよね?」
「ワ、ワ、ワタシ、ニホンゴ、ワッカリマセーン」

取り乱したかのような怪しい男の言動。
間違いない、彼だ。
イシューさんだ。

「やっぱり……」

岩戸は頭を抱え込んだ。
恐らく、彼の差し出すリンゴの中にはあの葡萄ジュース同様、何かが混入されているはずだ。
だから絶対にこのリンゴを受け取るわけにはいかない。
絶対に断ろう、岩戸和浩はそう固く心に決める。

「あのイシューさん。僕、もうお腹いっぱいで、このリンゴ食べられそうにないんです。だから……その、えーっと、お気持ちだけ受け取っておきますから」
岩戸はそう言って頭を下げた。
本当にお気持ちだけで十分だった。

「ワタシ、イシューニ、タノマレマシタ」

だが、この外国人はまだ白を切る気らしい。

「あ、あの……普通に喋ってくださって結構ですよ」
「アナタガ、ナヤンデイルト。ナンデモ、コイビトト、セック……」
「なっ!何の話ですか!!」
岩戸は慌ててイシューの口というかお面の口を塞ぐ。
それは普段おっとりしている彼からは想像もつかないような素早さだった。

「じゅ、18歳未満の子も読んでるかもしれないでしょうが!」

読者を考慮しての行動らしい。
何とも気の利く男である。

「あぁ、そうだったね。CERO”D”なのをすっかり忘れていたよ」
「そういうことです!それに、そんなことで僕は悩んだりしてませんから!!」
「オゥ、ソーナンデスカ」
「もう普通に話してくださいよ、イシューさん……」
「ふぅ……。ばれちまったら仕方ねぇ、何を隠そうこの俺が……」
最近時代劇にハマっているのか妙な言い回しの後、イシュー・ベルナドッテはヴェネチア風のお面をそっと外した。
そこはバサッとマントを脱ぎ捨てるシーンでしょうが!と思うかもしれないが、イシューはちょっぴり薄着だったため、それは躊躇ったらしい。
別に裸だったわけではない。念のため、言っておくが。

「イシュー様だ!なんてね、お久しぶり、カズ」

決まった!と感じたのか、お面の下から現れたイシューの顔はひどく上機嫌であった。

「ハハ、お久しぶりです」
「というわけで、はい、これ」

どういうわけ?って感じだが、 イシューは先ほどのリンゴを再度差し出した。
何が何でも岩戸に食べさせたいらしい。

「えっと、これ……。葡萄ジュースの時みたいに、何か入ってたりしませんよね?」
「もちろんだよ。今日はそのときのお詫びを兼ねてこのリンゴを持ってきたんだよ。とっても美味しいリンゴだからね、これは」
「そうですか……」
ハハハ、と岩戸が乾いた笑いをこぼす。
どう切り抜けようものか、只今考え中らしい。

「君が、今悩んでいると聞きました」
「え?」
「トゥーじゃなくって、留依からね」
「留依、さん……」
岩戸はばつの悪そうに頬をかいた。

「このリンゴが君に勇気を与えてくれるから、だから食べてごらん。きっといいことがあるよ」
「いいこと、ですか……」
「そう♪だから、はいっ」
30歳男性とは思わぬ可愛らしい笑顔でイシューは促した。
このリンゴを食べるように、と。

「えーと、じゃあいただきます」

押しに弱い岩戸和浩、26歳。
結局、この怪しいリンゴを受け取ってしまった。

「じゃ、きっといいことが起こるから、絶対食べてね♪」
そう言ってイシューは手を振り去っていった。
仮面を外したとき同様、なぜか非常に嬉しそうな顔をして。
逆に岩戸は固い表情で手を振り返す”絶対食べないぞ!”そう心に誓いながら……


「アホ、毛……」

そう口にしたのは、オングストローム・チームリーダーの藤宮留依だった。
目をぱちくりさせ、ぽかんと口を開き、マシンを整備している岩戸の、詳しく言うと頭のてっぺんを彼は今、凝視している。

「おい、どうした留依」

藤宮から遅れること数十秒。
中沢アルトゥール航河がピットに姿を現した。
だが彼も「アホ毛……!」と口を開いたっきり、その場に固まってしまう。

アホ毛――
それは古来より日本の美容業界で使用されている隠語である。まとめた髪の毛の表面からぴんぴん出てきて(跳ねて)いる短い毛。
対応する英単語は”Frizz”。別名としてジェニファーとも称される。(wik●参照)
んでもってついでに言うと、倭の頭の上にも生えていたりする。

で。さっき長々と説明した、アホ毛とやらが岩戸の頭にぴょこんと生えてるらしい。
昨日まではそんなものなかったのに。

「なぁ、航河。カズの髪型……」
「あ、あぁ……。色も、染めた……のか」

少々のイメチェンくらいではこうも驚かないだろうから、きっとすごいことになっているんだと思う。
というか思っていただきたい。
チーム・オングストロームの三十路手前組があーだこーだどーだと、岩戸の変貌ぶりを話しているうちに若手二人のやってくる時間となる。

「おっはよーございまーす!!」

大声と共に現れたのは鷹島疾斗、24歳。生粋のB型人間。
これに対し、少し遅れて入ってきた東道悠樹が「朝から無駄なエネルギーの消費」といつもの調子でつっかかる。
これにてようやくオングストロームのメンバー全員が揃ったこととなったわけだが、疾斗の挨拶でようやくメンバーの存在に気づいた岩戸和浩。マシンから顔を上げ、手にしていた工具を置き、傍に置いてあったタオルで手についた油をごしごし拭いてから皆が集まる方に向き直った。
そして……
「おっはよー!みんな♪」と疾斗に負けないくらい大きな声で挨拶したのだった。

あれ、カズ(さん)ってこんなノリだっけ……?
疾斗以外は何か違和感を感じずにはいられないのであった。

「おっやぁ、なんかいいことでもあったんすか、カーズさ……んっっ!!!」
そう声をかけたニヤツキ顔の疾斗も少し前の藤宮同様、目を見張ることに。
岩戸のヘアスタイルを目にしてしまったせいで。
それは悠樹も同じだった。もろガン見。そりゃもう失礼でしょっ!てなくらい。

「あ、あ、あ、そ、そのあた……むぐぅっ!」

「なぁ、疾斗。ちょっと航河と飲み物買ってきてくれるかな」
そう言って藤宮は疾斗の口を慌てて塞ぐ。
疾斗はコクコク頷き、出かかった言葉をぐっと飲み込むと、そそくさとピットの外へと足を進める。その後ろに中沢が続く。

「あ、えーと留依さん。今日、晴れて良かったですね」
中沢と鷹島を見送ってから悠樹が必死に話題をふる。

「あ、あぁそうだね」
そう答える藤宮の表情はとても複雑で、ピット内は微妙な空気に包まれていた……


「おい、アル!カズさんのあの頭、一体どうしたんだよ!」
「俺が知るか!」
「あー、一日であぁなっちまったのかよ……」
「………。」
「なんでノンのヤツと同じ色、形の触覚みたいなアホ毛だけ残して、ズル剥けなんだよ!」

どうやら只今の岩戸の頭は、疾斗のいう悲惨な状況らしい。
わかりやすくいうとアホ毛だけしか頭皮に存在してないという、乙女向けゲームにはまずありえない風貌だった。
しかも攻略対象ってどうよ

二人の足は、自然とチームYAMATOに向かっていた。
あの髪型だから絶対に倭が関係している、そう思ったからだ。
倭のアホ毛と色も形もそっくりすぎる岩戸のジェニファー。
どうせならそんな一部分抜粋じゃなくて、全部そっくりなら良かったのに……中沢も疾斗もそう思うのであった。
と、そこへ――

「あれ?どうしたの?何か用事?」

思い詰めた表情の二人の前に、今日もぴょこんと跳ねちゃってる可愛いアホ毛を揺らしながら宝條院ノォーン倭が手を振り振りやってきた。

「てめぇっ、カズさんの頭に何しやがった!」
「ふぇ?」

胸倉を掴む疾斗に対し、寝耳に水といった表情の倭。
「お前のせいで、カズさんは、カズさんはだなぁ……!!」そう言って疾斗は倭のレーシングスーツを掴む力をギリギリと強めていく。
「おい、やめろ!」
そう制す中沢の言葉を疾斗は軽くスルー。

「アル!お前は悔しくないのかよ!カズさんの髪があんなことになって!あんな……!あんなに、まだ若いのに!」
「は?」
「ど、どうしたの!髪って何!ってか、苦しいって、疾斗っ!」
「髪、染めんのだってなぁ、ハイリスクなんだぞ!知ってるか」
そう叫ぶ疾斗はなぜか涙目だった。

アレか、同士だからか
だが、もはや疾斗が何に苛立っているのかこの状況ではよくわからない。

「おい、サル!お前はカズの、というよりカズの頭髪の心配か」
「頭髪の心配して何が悪いっ!髪は男の命なんだよ!」
「苦しいよ~、疾斗ぉ……」
「フン。お前の帽子……。つまりは、そういうことか」
「なっ!違うってーの!」
「もう、離してよ~」

朝からどこぞのピットの前でギャーすか騒いでるいい年した大人二人にアホ毛の男の子が一人。
もうすぐ走行会が始まるというのに何の騒ぎだ?と次々と他チームのドライバー達が集まってくる。

「……む。何の、騒ぎだ……?」

その人だかりを掻き分けて現れたのは、ピシッとスーツを着こなした大人の色香漂う一人の男性。
今日もメガネをキラリと光らせる黒峰冬哉だった。
ちなみにオングストロームのメインスポンサー様だったりする。

「君たち……。ここは託児所ではないんだが!」

自身の関係者だと知り、黒峰は三人を瞬時に一喝。クイッとメガネを押し上げて。
その姿は先日の、とある旅館の毒物入り葡萄ジュース事件の際、小さくなった皆を叱り付けるあの時の様子と酷似していた……


で。こっちはこっちで大変だった。

「ルイルイはさ~」

岩戸が、なぜか藤宮のことをルイルイと言い出したのである。
テンションの高さといい、言葉遣いといい、ルイルイなんて言い出しちゃってる様といい、中身が完全に倭そのものだった、あとアホ毛も。

「ねぇ、カズ。マシンの調整は終わった?」
ルイルイは冷静に、オングストロームのマシンの様子を尋ねる。
ピット内や外は岩戸がこんなことになったせいでバタバタしているが、走行会の時間は待ってくれない。あと1時間程で開始の時刻だ。

「もっちろん!このカズくんに任せなさいってね☆エヘヘッ」 ъ(*゜ー^)
「うっわ。オレ、なんか頭痛が……」

にかっと笑って力こぶを作ってみせる岩戸@倭。
その様子を見て、悠樹は眉間を押さえる。

「っていうかさ、さっきから皆変だよ。なんか余所余所しいし」
「いや、カズの気のせいだよ……ハハ」
藤宮の乾いた笑い声がピットに響く。
正直、岩戸@倭が整備したマシンに乗ることには不安もあった。
だが整備している様子を見る限り、その手際はいつものカズだった、言葉遣いとヘアスタイルがいつもと違っているだけで。
せめてもの救いは今日がレース日ではなかったことだろう。

そして藤宮には何となく、というか確実にこの犯人の目星がついていた。
絶対あの人しかいない。
イシュー・ベルナドッテ、彼しか。

「どうやら、また……。彼がやってくれたようだね」
ルイルイがため息まじりにそう呟いた時、ポケットの携帯が鳴った。
画面を開くとメール1件受信の表示。差出人はイシュー・ベルナドッテだった。
噂をすれば何とやら。

「……。」

添付画像が付いていた。
開いてみると、清水の舞台と一緒に写る上機嫌なイシューの写真だった。

兄さん……

困った。
よりによって京都に繰り出しているなんて。
カズは、どうすれば元に戻れるのだろう……
葡萄ジュースの時同様、眠ればいいのか

はぁ……

藤宮は大きなため息をついた。
犯人は兄さんしかいないことはこのメールを見るまでもなく明らかだ。
だけど肝心の元に戻る方法が一切書かれていない。

そうだ、電話……!

藤宮は一か八かイシューの携帯にかけてみた。
こんな悪戯、チームメンバーにもそして彼女にも迷惑なことこのうえない。

が――

「電源が入っていないため……」

藤宮の願い虚しく、応えてくれたのは機械音声だけだった。

「駄目、か……」
「留依さん?」
「あ、あぁ。ごめん、なんでもないよ」
そっと携帯をしまう藤宮。
そんな藤宮の表情から何かを悟ったのか、悠樹もそれ以上何も言わなかった

シンと静まり返るピット
そこへ……

「君たちは社会人としての自覚をもう少し持ちたまえ!」
と黒峰からお叱りを受ける例の一団が戻ってくる。プラス倭も。

「でもさー、オレ、まだ社会人じゃないし」
としれっと言っちゃうのはアホ毛を揺らす倭ぼっちゃん。
だが黒峰は少し前の一件でどっと疲弊していたため、聞こえないふりを決め込む。
これに対し中沢がアホが、とするどく反応。

「あー!またアホって言ってるー」
アホじゃなくて、ノンだよ~のくだりはお馴染みなのでカット。

「黒峰さん、おはようございます」
チームスポンサー様の姿を目にし、すぐさま声をかける藤宮。
今はカズの一件であまり余裕はなかったが。
やはりチームリーダーであり、プロのドライバーといえよう。

「あぁ、藤宮くん。それに悠樹もいたのか、おはよう」

おはようございます、と悠樹も軽く頭を下げる。

「ん、どうしたのかね。何か問題でもあったのか」

表情の冴えない二人を目の当たりにし、黒峰が眉を顰める。
が、その理由はすぐに判明することに。

「あー!トントン、おっはよー☆」
「あぁ、おは……え?トン、トン……?」
一瞬にして顔から血の気の引く黒峰社長。
そんな社長の様子なんておかまいなしに、工具を持つ手をブンブンと振り回し笑顔で手を振る岩戸は御年26歳。
普段何事にも動じないアイオンレーベル社長だが、これにはさすがに面食らったらしい。
そして倭も。
目をぱちくりさせながら、オロオロ。

「ちょっ!カズさん、どうしちゃったの!え?え?なんで?どうして?オ、オレになってる!」
「や~ま~と~さ~ん」
禍々しいオーラをまとった黒峰がゆっくりと倭の方へ振り返った。

「へ?オ、オレ……?」
「どういうことか説明してもらいましょうか……」

ここでもメガネをクイッと押し上げて、目じりにメガネの淵にと、キラリと光らせるアイオンレーベル社長。
そんな黒峰から少し離れた所に立つ中沢や疾斗、二人からもするどい視線を浴びせられ、とんだとばっちりを受けちゃう可哀想な倭くん。

「オレ何もしてないよ~!!」
倭の声がむなしくピット内にこだました。


とりあえずマシンをメンテナンス中の岩戸を残して、他の面々は上の応接室へと向かった。
そこでは我らがカズさんを救え!緊急特別会議が開かれていた。ちなみに名付け親は疾斗だったりする。

「まずは倭さん、知っていることを洗いざらい吐いてもらいましょうか」
さながら碇ゲン●ウを彷彿とさせる仕草(口の前で手を組み合わせる)、口調で倭を問いただす黒峰。
白く反射するレンズが今のこの雰囲気を殊更盛りたてている、ような気もしなくもない。

「だ、だからオレは何も知らないんだって~」
泣きそうな倭。
「待ってください、黒峰さん!犯人は…」
「どうせイシューとかいう変な外国人だろうが」
藤宮の発言を遮るかのように、中沢が口を開く。考えるまでもない、と付け加えて。

「はぁ……。また、あの人ですか」
忘れもしない、毒物入り葡萄ジュース事件……
黒峰の脳裏にあのときの惨劇が、昨日の出来事のように鮮やかに蘇る。

「ま、予想はしてましたけど」
「だな……」
悠樹、疾斗が中沢に激しく同意。

「……倭さん。彼と最近会ったときに何か変わったことはありませんでしたか」
大きなため息を一つこぼし、再度倭へと視線を戻す黒峰。

「え、変わったこと?」
「ほら、彼が何か妙なことを言ったりしていなかったかい?」
もしかしたらカズを元に戻す糸口が見つかるかもしれない、そう思った藤宮が柔らかな口調で訊ねる。

「えーっとね……あ!」


数日前。
某ファーストフード店。

「倭の髪の毛はいつ見ても美しいよ^^日本の美を感じるね」
「んー、日本の美ってのはよくわかんないけど、褒めてくれてるんだよね?じゃあ、悪い気はしないよね。うん。素直に褒められとこうっと。ありがと~!えへへ」

そこにはイシュイシュと倭の姿があった。
テーブルにはハンバーガーとドリンクにポテト。
二人はあまりこういう店で食事をとることがないため、新鮮な気分で座っていた。
周りの女子高生達は先ほどからずっとこの二人のテーブル席をチラチラちら見。まぁ中身はどうであれ、二人とも外見は整っている。
そしてこの二人組――
どういうわけか金髪の男が青い髪の少年に手を伸ばし、髪の毛を触っている。そんな光景を見せられた方の妄想はあらぬ方向に膨らむってなもんであろう。

「ね、少しだけもらってもいいかい?」
「何を?」
「これ」
と言ってイシューが掴むのは倭のサラサラの髪。

倭は少し首を傾げたが、特に何も気にすることなくOKの返事をする。
疾斗のように別に困っているわけではなかったし。

「じゃあ、早速~♪」
そう言ってイシューは大きなハサミをカバンから取り出すと、ジョキンッと自分の指で掴んでいる毛の束にハサミを入れた。
それをすかさずビンの中へと収納する。

「え、イシュイシュさ、それ……どうすんの?」
「そ・れ・は、数日後のお楽しみ~♪」

周囲からキャーという黄色い歓声(?)が上がっていたが、二人の耳には届いていなかった。


「なんてことがあったよ?」
「それだ!」

藤宮と黒峰が目を見合わせ、頷く。
ひとまずあぁなった原因は倭の毛髪にあったということだけはわかった。
だからどうしたという感じではあるが……

「ノンの毛髪成分入りの何かを口にしたら、ああなるってわけか……」
「恐ろしいですね」

自分の毛髪や言動が倭化することを考えては身震いする中沢に悠樹。
まぁ、好き好んでああなりたいヤツなんてどこにもいないだろうが。

「おーいノーーーーン!」
「どうしたの、疾斗?そんな怖い顔して」
「別に疾斗のように困っているわけではなかったし、ってどういう意味だよ!」
「へ?その通りの意味だけど?」
特に悪びれる様子もなく答える倭。
「そんなに言うんならなぁ、ほら、よく見てみろ!俺がハゲでないことを証明してやる!」
疾斗が自身の帽子に手を伸ばし、勢いよく床に帽子を叩き付けたとき、(あえていうが、だちょうく●ぶのあの方のネタではない) 階下から叫び声が。

「っんだよ!別に悲鳴上げなくてもいいだろーが!」
「違うよ!美紅ちゃんだよ!」
いつの間に席を立ったのか、ドアの前で倭が振り返って言う。

「へ?」

状況の飲み込めない疾斗以外は全員、1階のピットへ駆け下りていってしまう。
静まり返る室内に皆の足音がよく響いていた。そして疾斗の心にも……

「お、おいっ!俺の頭髪チェックは――!」

疾斗、今日も疑惑晴らせず! !


「もう、さっきからカズくんだよ~って言ってるのに~!」
「だ、だからどこのカズくんですか!」

ピット内ではカズの恋人である美紅がカズ@倭の対応に追われていた。背後からギュッと抱きしめられながら。
別段彼氏彼女の関係なんだから問題はないのだが……

「はいはい、カズ、そろそろ離れよっか」
「え~、まだおはようのチューしてないよ~」
「岩戸くん、それはまたあとにしてくれないか……。あぁ、頭痛が……」
藤宮と黒峰が二人の間に割って入る。
岩戸はその二人の言うことを素直に聞いたようではあったが

「ん、わかった。じゃあまたあとで~のチューね」
と離れ際、美紅のほっぺに軽く自分のものという証を残す。

「ひゃっ!」
「おい、大丈夫か」
中沢が美紅の顔を覗き込んでいる。

「あ。はい……。あの、すみません、レース前に」
「いや……」
「あの人は一体……」
「……カズだ」
「……?」
「イシューとかって外国人に変な物を飲まされたらしい。だが心配しなくても明日には元に……っお、おい!!大丈夫か!!!」

美紅はそのまま気を失ってしまった。
まぁ自分の恋人が、あぁも見た目も中身も全て変わってしまったのだから、無理もないのかもしれない


「ん……」
「気分はどう、かな?」
心配そうに美紅の顔を見つめる藤宮。
見慣れた天井、照明、机、イス……そこは何度か来た事のある、オングストロームの応接室だった。
誰かが運んでくれたのだろう、毛布が掛けられ、ソファの上で横になっていた。

「…あ…はい。もう、大丈夫です」
「そっか、ほっとしたよ。どこか痛むところはないかい?」
まだ頭はボーッとしているが、特に痛みを感じるところはなかった。
コクンと頷いてから「今日はただご迷惑をおかけしに来たみたいで、本当にすみません」と謝罪の言葉を述べる。
美紅の言葉に、笑顔でただ首を横に振る藤宮。
「無事に今日の走行会も終わったよ」と好結果だったことを伝えてくれる。
「そう、ですか……」
その言葉はとても嬉しいのだが、美紅は、外見も内面も全くの別人になっていた自身の恋人の身の方を案じていた。
聞かない方がいいような、でも知るべきのような、不安げな面持ちで美紅は訊ねてみる。

「あの……その、カズさんは?」
「うん、きっと明日には元に戻っているから大丈夫だよ」
そう藤宮が迷いなく答えてくれたことに美紅も安堵の表情を浮かべる。

「これから少し、反省会、かな。あと1時間くらいだと思うから待っててくれる?今日はカズがあぁだし、その、謝罪も兼ねて疾斗に送らせるから」
そう言って、応接室から出て行こうとする藤宮。
だが、美紅はその行為を素直に受け取ろうとはしなかった。
「だ、大丈夫です!一人で帰れますから!」慌てて立ち上がって、近くに置いてあった自分のカバンに手を伸ばす。
「ダメだよ、君のその意見は絶対に聞くことはできない。ほら、この近くの喫茶店。そこで待っててくれるかな」
有無を言わせず、強引に約束を取り付ける藤宮。
これに対し、美紅はただ「すみません……」と頭を下げるのみであった。


「そろそろかな……」
藤宮が時計を見てそう呟いたとき――

「すまん、待たせた!」
の声とともにオングストロームのピットにやってきたのは織田仁こと、通称「オジン」と今回の事件の犯人、イシュー・ベルナドッテだった。
イシューはひっとらえられた下手人のように体を縄でぐるぐる巻きにされている。
その縄を持つオジンの顔からは疲労の色がこれでもかといわんばかりに滲み出ており、イシュー捕獲大作戦の難しさを物語っていた。
あえていうが、決して年齢からきたものではない。

「おい、そこはあえていわなくてもいいだろーが」
オジンの間髪入れずの素早いツッコミ。
この男、だてに東西出版・編集長の肩書きは背負っていない。

「いや、それ関係ねーだろ!」
オジンのツッコミはとりあえずこの辺にして、本編に戻ろう。

「早っ!いや、俺M男だけど、もう少し優しく扱ってくれても……」

「うーん、ここにはどう見ても可愛いメイドさんはいないね…」
わざとらしくピット内をキョロキョロするイシュー。
もちろん、こんなところにメイドさんがいないことなんて百も承知。まぁ、ピットだしね。

「待ってましたよ、イシュー」
そんな彼といじけるオジンを迎えるは少し黒さのプラスされた藤宮だった。

「留依っ!君がメイドさんなのかい!?」

この男、何がこんなに嬉しいのだろう。
縄で縛られて、弟の顔を見て、こんなに笑顔になるなんて。これじゃあただの変態にしか見えないのだが。

「何のことです?」
「お帰りなさいませ、ご主人様~♪って可愛い子がお迎えしてくれるお店に行くって聞いてたんだけど……」
「織田さん?いつもそんな所に?」
「ち、違うぞっ!それは連れて来る口実にそう言っただけで」
オジンの動揺の仕方は半端なかった。
そのため、藤宮もオングストロームのメンバーもこれにはあまり触れないようにした。

「こんな風に僕を捕縛しなくても、連絡をくれたらすぐに会いに来てあげるのに♪」
「いつも嫌でも会ってますから、俺は別に顔も見たくなかったんですけどね」

少し前からイシュイシュは藤宮のところに転がり込んでいた。
たまにフラフラと出歩くことがあったから、どこに行っているのかと疑問に思っていたらまた妙な薬の開発に携わっていたらしい。全く、恐ろしい兄である。

「な、なっ!留依が、留依がカチコチに凍ったアイス●ンよりも冷たいっ!あぁ、昔の……あの頃の可愛い留依はどこに?も、もしかして君は留依のふりをした偽者!神よ、どうしてこのような試練を僕に……」
「俺は本物ですから安心してください。あぁ、だいぶ読者も疲れてきている頃ですし、痛い子もその辺に。 まずはカズを一刻も早く元に戻してください。そのあと病院へ行って、永久に入院でもするといいですよ」
さすが藤宮留依。返しも非常にスマートだった。
「留依~」
「泣きたいのはこっちです。ほら、見てください!カズはあんな風に……って、あれ?」
藤宮の視線の先にアホ毛を揺らす、カズの姿はなかった。

「留っ依さーんっ!アイツ、誰かと喫茶店出て行ったそうっすけど」
藤宮が首を傾げるのと同時に、彼女を送っていったはずの疾斗がピットへ現れる。

「誰かって……」
黒峰は、美紅が横になっているうちに仕事でピットを後にしたため、彼が美紅を送っていくはずはない。
航河は先ほど二階に上がっていったし、悠樹と疾斗は今、自分の目の前に立っている。そして先ほど到着したオジンとイシューは論外として――

「カズ、かな……」
藤宮が大きなため息と共に口にしたのは今一番いてほしい人の名だった。

「カズさんの車は?」
「そういえば、見当たらなかったような……」
悠樹の問いに、疾斗は先ほど目にした駐車場の光景を一生懸命思い出す。
確かに白のシビックタイプRは止まっていなかったような気がする。

「きっと彼女を送っていったに違いない…かな。イシュー!早く僕の車に!」
「そんな慌てなくても……。今頃二人は甘い時間を過ごしてるに違いな……痛たっ!」
「早くしてください!」
藤宮はイシューに巻かれた縄の先端を乱暴に掴むと、自身の愛車へと走り出した。

「てか、留依さんってあんな早く動くもんなんだな」
「オレもあんな留依さん、初めて見たかも」
疾斗と悠樹が小さくなっていく二人の姿を、呆然と見送っていた。

「おーい、約束の芋焼酎……」
オジンの声は果たして届いたのであろうか


「着いた……」

猛スピードで、とは言っても本職がスピード違反で捕まるなんてことはまずあってはならないので気持ち、とばし気味に美紅の住むマンションへとやってきた藤宮とその兄・イシュー。

「ここがカズの彼女の住んでいるマンションかぁ。へぇ……」
「兄さん!何、メモしてるんですか!行きますよ!」

藤宮の手には来る途中にスーパーで買った、かぼちゃの煮物の入ったパックが握られていた。
イシューが言うにはとにかく岩戸の好きなものを食べさせるなりすると元に戻るらしい。
もしくはおとぎ話のように彼女のキスでも元に戻るらしいのだが、それは酷だということでカボチャを食べさせる方を選んだのだが……

ピンポーン

インターホンを鳴らす藤宮。
だが一向に反応がない。

片手にはニコニコ笑顔の金髪青年(いろいろ誤解されてもアレなので縄はほどいていたが)+縄、そしてもう片方にはかぼちゃの煮物、という不思議なイケメン藤宮は不審者のごとく、美紅の部屋のドアノブを上へ下へと動かしてみた。
しかし待てど暮らせどドアの開く気配は一切なく、そのうえ鍵がかかっていた。
ただ、室内から物音はするし、微かに声も聞こえている。確実に二人はこの中にいる。

「トゥーリ!二人は今愛し合ってる最中かもしれないし、そんな無粋な真似は……」
「兄さんは黙っててください!」
「あぁ、僕のトゥーリが~」

仕方ないのでとりあえず美紅の携帯を鳴らしてみるが、彼女が携帯に出ることはなく留守番電話になってしまう。

その頃――

「ね、今日はお泊りしてもいいでしょ?」
「えっと…ごめんなさい。今日は友達と約束があって……」
「え~、いいじゃん。じゃあさ、オレ、いい子でお留守番してるからさ~」

こんなやり取りが室内で延々行われていた。
美紅はとにかくこの状況を切り抜けたい。そう思い、やっとのことで鞄から携帯電話を取り出していた。
芝居を打ってでも、なんとか今日のこのカズさんには帰ってもらわないと。そう思っていた。

朝からマナーモードにしていた携帯に視線をやると、着信ありの表示。見ると藤宮から何度も着信が入っている。
これは天の助け!ばかりに美紅は発信ボタンを押し、藤宮に助けを求めることにしたのだが――

「オレがいるのに、他の男の人と話すなんて絶対にダメ!」
振り返ると岩戸(もはや倭か……)が、不機嫌そうに美紅の持つ携帯の画面を覗き込んでいる。
美紅はそのまま肩を押さえ込まれ、床にうつぶせに倒れる形となってしまう。
頼みの綱である携帯電話はそのまま美紅の手を離れ、少し離れたところに転がった。

『もしもし、沢渡さん!大丈夫かい!?』
藤宮の声がわずかだが美紅の部屋に響く。だが、かけてきたはずの美紅の返答はない。

『沢渡さん!沢渡さん!』
何度も美紅の名前を呼びかけてみるが応答はない。

左手に持つ煮物パックを見、意を決した藤宮。
携帯電話に向かってただ一言『かぼちゃーーーーー!!』と叫んだ。

「かぼちゃ?」
この藤宮の声は携帯電話を通じて、というよりも玄関前からと言うべきか、しっかりと美紅の耳に届いた。
そして岩戸の耳にも。
岩戸が「かぼちゃ」と聞いて一瞬怯んだすきに、美紅は近くにあった歓送迎会の出し物用かぼちゃパンツを岩戸の頭に思いっきりかぶせた。

すると次の瞬間――

ポンッと軽い音とともに可愛い花々が散ったあと、「あれ……?」とかぼちゃパンツの下から顔を出したのはいつものオトメン・岩戸和浩だった。

「カズさんっ!!」
「え、うわぁっ!」

そのまま美紅は岩戸を思いっきり抱きしめると、泣きながら唇を重ねた。
岩戸もわけがわからず、されるがままだった。

とりあえずイシュイシュにおまかせ☆して正解だったのかも……?


一方、玄関の外では――

「本当にお騒がせしました」
そう藤宮が頭を下げているところだった。

近くの住民が、変な男性二人組が女性入居者の部屋の前で妙な行動をとっていると通報したらしい。
イシューを捕縛した縄は急いでいたせいで持って来てしまっていたし、イシューはイシューで藤宮が慌てていた頃、暇だからという理由でその縄で縄抜けの術~!と言って、自分の手を縛っていた。 それが結局ほどけないらしく、縄を絡めてじたばたしているし、その縄を持っているのは藤宮だったうえに、その彼は「かぼちゃ!」と大声で叫んでいるのである。
傍から見ると、不審者以外の何者でもないわけで……
駆けつけた警官から職務質問をされるはめに。
その後美紅や岩戸にも出て来てもらい、終始首を傾げる警官になんとか事情を説明し、本物のお縄にはならずに済んだイシュー、そして藤宮。
近隣住民や二人にも謝罪し、藤宮たちは美紅宅を後にするのであった。


自宅へと向かう車内。
運転席には藤宮が。そして助手席にはイシューが座っていた。

「でも…どうやってカズを倭化させたんですか」
「んー、それはカズの意志だよ♪」
「カズの……?」

意志と言われても合点がいかず、藤宮はただ首を傾げた。
あの葡萄ジュースの事件以降、不審な物……特に倭が持ってくる物には皆慎重になっていた。
それに今回は倭が関わっていないとはいえ、カズは軽々しい行動はしないはず。

それなのにどうして……

「まぁ、イシュイシュにおまかせ☆ってね♪」

イシューがキランッと爽やかな笑顔で幕を閉じようとした瞬間、ヒザの上に置いてあった彼の鞄から数冊の本が落ちてくる。

「何か落ち……ん?」

ちょうど赤信号で停止した藤宮が目にしたもの……

・驚くほど簡単!誰でも催眠術100

・月間 The・柔術

・通信教育・少林寺拳法の極意

だった。

「……へぇ、カズの意志、ですか……」
「トゥ、トゥーリ!話せば、話せばわかるから!」
「問答無用!!」

この後、イシュイシュがどのようになったかはご想像におまかせします。

あとがき

する/しない で、カズさんめっちゃ好きなんですって書いたのですが、そのカズさんより大好きなのがこの話で活躍していた藤宮留依さんです。
このゲームを今後遊ぶ予定の方はこれ以降目にしないでほしいのですが、彼、実は北欧の超財閥の次男でして(兄のイシューが次期総帥)。んでお母さんは日本人ということでハーフなこともあり、日本語もしっかり話せるんですが、ある理由から日本人のふり(髪の毛を黒く染めたり、カラコン入れたりまで)をして日本でプロドライバーをやっている、という設定で。素は銀髪碧眼っていうね、これでもかってなくらいの王子属性の権化ですが、ストーリーがさ、めっちゃいいんですよ~。このSIGNALってゲームが甘いだけじゃなくて、メンバーいろいろあってって話ではあるので泣いてしまうシーンも多く、そういうゲームはあまり…な方にはご縁がないのかもしれませんが、もしもどこかで見つけたら是非遊んでほしいです。私も年に一度は遊んでます。あとがきじゃなくてSIGNALの宣伝になってた笑
ルイルイの話を書きたい書きたいと思いながらも、自分は下々の民草なので、財閥の人ってどんな生活をしているのかがよくわからず書けずじまいです

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